1-2-4. カントと哲学と製作の裏話|主婦の海外ドラマでやり直し英語

1-2-4. カントと哲学と製作の裏話|主婦の海外ドラマでやり直し英語

間違ってグッドプレイスに来た、エレノア。

そんな彼女に助けを求められたチヂィは、どんな答えを出すのでしょうか。

ミーティングから戻ってきた、エレノアとチディの会話の続きです。

前回はこちらです。



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1-2-4. スクリプトと訳

第1シーズン

第2話『Flying』だいたい3分〜4分のところ 

Eleanor: What are you reading?

何を読んでいるの?

Chidi: The Metaphysics of Morals by Immanuel Kant. It’s a treatise on the aesthetic preconditions of the mind’s receptivity to duty. It’s a book on how to act good.

イマヌエル・カントの「人倫の形而上学」だよ(*1 )。義務に対する、心の受容性の感性的な(美的な)前提条件に関する専門書だ(*2 ,*3 )。どうやって良く行動するかの本だよ。

Eleanor: Oh, great! So you’ve decided to help me?

あーよかった!じゃあ、私を助けることにしてくれたのね?

Chidi: I don’t know. There’s a thousand questions. Is there a moral imperative to help you? Do I have a greater obligation to my community? Are you taking someone else’s spot, someone who deserves to be here?

分からない。疑問が山ほどあるんだよ。君を助けることに、道徳的な必要性はあるのか(*4 )?自分のコミュニティに、より多くの義務があるのか?君は、ここにいることに値する誰かのスポットを、取っているのではないか?

Eleanor: Ooh! On that question, I honestly think I was just put here by mistake. Because Michael called me Eleanor Shellstrop, so he knows I’m me. He’s just wrong about my overall “quality” level. Please help me, man. I swear I am worth it.

あー!その質問、正直、私は、ただ間違ってここに入れられただけだと思う。だって、マイケルは私のことをエレノア・シェルストロップって呼んだから、だから、彼は、私は私だ、って分かっているわ。彼はただ、私の全体の”質”レベルについて、間違っているのよ。お願い、私を助けて、その価値があると誓うわ。

Chidi: Tell me one fact that you know about me. I mean, we spent the whole day together. You must remember something. What country am I from?

君が僕について知っていること、1つ教えて。つまり、1日中一緒に過ごした。君は何か覚えているはずだよね。僕はどこの国出身?

Eleanor: Is it racist if I say Africa?

もしも私がアフリカって言ったら、それって人種差別主義者?

Chidi: Yes, and Africa is not a country. I am from Senegal.

そうだね、それに、アフリカは国じゃないよ。僕はセネガル出身だ。

[credit: NBC]


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1-2-4. 日本語訳についての補足など


1. カントの著作について

今回出てくる、カントの本。

チディは、『The Metaphysics of Morals /人倫の形而上学』(1797年) と話していました。

が、画面には『Groundwork of the Metaphysic of Morals / 人倫の形而上学の基礎づけ』(1785年) の本が映っていて。


そこで、これらの本についてなんとなく軽く調べてみましたが、

とにかく難しそう

というわけで、これらの本については、これ以上追求しないことにしました。


2. treatise の意味

treatise について調べました。

Merriam-Webster より、

a systematic exposition or argument in writing including a methodical discussion of the facts and principles involved and conclusions reached

”関わった事実や原理の体系的な議論や、出された結論を含む、系統だった議論や討論の文書”


3. ここでの aesthetic の訳について

普段だったら多分、調べもしないで「美的な」って訳すところだったと思うのですが。

ちょっと気になって調べたところ、こんな論文の要旨を見つけました。

今回の訳に関連するところとしては、

純粋理性批判』(1781年) や『判断力批判』(1790年) に出てくる「aesthetic」の訳について、

「感性的」「美的」どちらの意味で使われているのか、ということが書かれているっぽいのかなと。

っぽい。としか分かりません!

ここでは、「感性的な(美的な)前提条件」と訳しておきました。


4. imperative とは

imperative という単語について、調べました。

名詞の意味と例文は、DICTIONARY COM より

something that demands attention or action; an unavoidable obligation or requirement; necessity

”注意や行動を要求する何か、避けられない義務や要求、必要性”

It is an imperative that we help defend friendly nations.

”友好国の自衛を助けるのは、避けられない義務だ”


形容詞の意味と例文です。

Cambridge Dictionary より

extremely important or urgent

”きわめて重要、または非常に緊急な”

The president said it was imperative that the release of all hostages be secured.

”大統領は、すべての人質が無事に解放されることが、きわめて重要だと言った”



ポッドキャストより製作裏話


このドラマ「グッドプレイス」のマイケル・シュア(『Michael Schur/ マイケル・シュアとポッドキャスト』参照) が、ドラマの構想を考えるのにあたり、

  • 死後の世界について、Religious conception/ 宗教的概念 に関する本を色々と読んだ
  • それらに書かれていることはfascinating/ 興味深かった けれど
  • 4ヶ月くらい読んで、死後のドラマを書くには pointless/ 無意味 だなと感じて
  • ドラマには、ethical conception/ 倫理的な概念 だなと思って
  • philosophy/ 哲学 について学び始めた

というようなことを、ポッドキャスト(Ch. 1: Michael Schur) で言っていました。


今回のところも、そんなことがベースになっているんだなぁ、と思いながら学習しました。


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カントについて


今回出てきた、カントという名前。

私にとっては、「高校の倫理の授業で名前は聞いた」くらいの認識でした。


カントについて軽く調べるうちに、

純粋理性批判」というのは聞き覚えがあるような

と思いましたが、他に何を習ったのか、さっぱり覚えていません。


分かりやすく書いてあった、東洋大学のページによると。

カントは、

彼は18世紀を代表する哲学者にして近代哲学の祖といわれています。

様々な問題を普遍的な原理から考え直すという大事業を行ったからです。その結果、「カント以前の哲学はすべてカントに流れ込み、カント以後の哲学はカントから流れ出る」といわれるほど現在に至るまで多方面に深い影響を与えています。

なのだそうです。とても偉大な人なのですね。

私が知っているくらいだから偉大に決まってるのですが、ボキャブラリー不足で…


また、こうも書かれていました。

「他の誰からの命令を受けたわけでもなく、また見返りを求めることでもなく、ただそうあるべきだと自ら行うことこそが道徳的であり、人としてあるべき姿だ」というのが、カントの導き出した“道徳”の結論となるのです。


哲学を専攻すると、こういうことを考えに考えて、深めていくのでしょうか。

上で書いた論文の要旨もそうですが、なんだかすごい学問の世界ですね。



まとめ


今回は、エレノアのセリフ「Is it racist if I say Africa?」に対して、

チディが「Yes, and Africa is not a country. I am from Senegal.」と答える場面が好きでした。

今の彼らっぽさが表れているように思って。


ところで、やっぱり真面目なチディ。

チディはエレノアを助けるのか、どうするのか。

って何度も書いていますが、まだ決めきれない様子。

考えすぎて決められない性格が、垣間見れます。


さて。

次回も、チディからエレノアへの「自分のことをどれくらい知っているか」という質問が続きます。


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