前回のエレノア。
「私は、すごくいい人ではなかったけど、ひどくもなかったよ。私はミディアムな場所に行くべきだわ!シンシナティみたいな。」
というようなことを、発言します。
でもチディの言うように、どうやら死後の世界は、そんなふうに機能していなさそう。
だけど、エレノアはあきらめません。今回は、そんなお話です。
前回 1-1-22 はこちらです。
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1-1-23. スクリプトと訳
第1シーズン
第1話『Everything is fine』だいたい22〜23分のところ
Eleanor: Unless.. There is something we can do. Unless you could teach me.
でも…何かできることはあるかも。もしあなたが私に教えてくれたら。
Chidi: Teach you what?
君に何を教えるの?
Eleanor: How to be good. That was your job, right? A professor of ethics? No one knew I was a problem when I arrived. Things only started getting crazy after I was an ash-hole to everyone at the party. Ugh. You know I’m trying to say “ash-hole” and not “ash-hole”, right?
どうやって良い人になるかよ。それがあなたの仕事だったんでしょ?倫理学の教授だっけ?私が来た時、私に問題があるなんて誰も知らなかったじゃん。パーティーで、私が、みんなに対して”すごくイヤな感じなヤツ”だった後に、いろんなことが変になったでしょ(*1 )?あー、もう。私が “ash-hole” じゃなくて、“ash-hole” って言おうとしてるの分かるよね(*2 )?
Chidi: I got that, yes.
うん、分かるよ。
Eleanor: Okay, give me a chance. Let me earn my place here. Let me be your ethical guinea pig.
よし、私にチャンスをちょうだい。私が、ここに居場所を得られるようにして。私を、あなたの倫理学のモルモット(実験台)にして。
Michael: Hey, guys! Uh.. Emergency neighborhood meeting, now!
やあ、お二人さん!えっと、緊急のネイバーフッド会議をするよ(*1-1-4)!
Eleanor: We’ll be right there, Michael! If I walk out of here in these clothes, I’m toast. My soul is in your hands, soulmate. What’s it gonna be?
マイケル、すぐに行くわ(*3 )!この服装でここから歩いて出たら、もうおしまいだよね(*4 )。私の魂はあなたの手にゆだねられたわ、ソウルメイト。どうする?
Chidi: Oh, stomachache.
おー、胃が痛い。
[credit: NBC]
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1-1-23. 日本語訳についての補足など
1. シュワー と呼ばれる音 [ə]
今回は、シュワーという音 [ə] について学習しようと思います。
下の表では、真ん中あたりに書いてある発音記号になります。
いつもの発音の本『[新装版]脱・日本語なまり―英語(+α)実践音声学』より、
[ ʌ ] よりもさらに口の開きが小さいアだと言っておきましょう。上下の前歯は離れていますが、かなり接近していて、もうその間には指が入る余地なんてありません。また、頬の緊張は解きましょう。多分コーチはこの程度でいいと思いますよ。だいたい、前後の音に引きずられて多少変化しちゃいますから
また、シュワー [ə] について、
第2の注意点は [ə] が無アクセント音節にのみ現れる母音だということ
とも書かれていました。
*第1の注意点については、今後にします。
そして、単語の中に出てくる [ə] について分かりやすい説明が続きますが、ここでは割愛します。
気になる方は、『[新装版]脱・日本語なまり―英語(+α)実践音声学』の本の方でご確認ください。
そのあとに、こう続きます。
単語の範囲を超えても同じ現象が起きます。前置詞の at を取り上げてみましょう。字引を見るとその発音として [ æt ] と [ ət ] が両方載っかってますよね。
以前にも書いたように、最近、私は発音を wiktionary で調べることが多いですが、確かにそう載っています。
”What are you looking at?” だったら次に目的語がないので [ æt ]と言うんですが、この問いに答えて ”I am looking at you, darling!” って言うんなら、当然 you が強くなるので、隣は弱い [ ət ] です。
エレノアのセリフに出てくる at も、目的語が続くので [ ət ] となる、ということですね。
2. ash-hole って何?
まだ第1話ですが、すでに何度も出てきているように、グッドプレイスでは汚い言葉を使うことができません。
ここでも、asshole が ashhole という言葉に変わっています。
つまり、エレノアは、本当は ” I’m trying to say “asshole” and not “ash-hole” ”と言っているつもり。ということかな。
3. We’ll be right there! 単数と複数
エレノアのセリフ、
I'll be right there.
ではなく、2人だから we になってます。
ちょっと道を通してほしいときなどに、
- 1人で歩いているときは、Excuse me.
- 誰かと歩いているときだったら、Excuse us.
みたいに、単数・複数の使い分けって、日常のちょっとした言葉にも出てくるように思います。
ちゃんと使い分けできている言葉が、自然と口から出てくるようになりたいものです。
4. be toast の意味と例文
informal : to be in a lot of trouble : to be completely ruined, defeated, etc.
”口語 ひどく困ったことになる、完全に破滅したり打ち負かされたりなどする”
例文です。
If anyone finds out about this, we're toast.
”もし誰かがこれを見つけたら、私たちはもうおしまいだ”
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発音記号 [ɔɪ] について
グッドプレイスのシーズン1、第1話のセリフについて学習する中で、
つづり字や発音記号についても、少し学習してきました。
発音記号について、とりあえず手を出してみよう、というところから始めましたが、途中で、ちょっと系統立てて整頓して。
すると、あと1つ [ɔɪ] という発音記号について学習すると、とりあえずキリがよくなることが分かりました。
そこで、シーズン1の第1話が終わる今回、付け足しておきます。
つづり字「oy」「oi」の発音 [ɔɪ]
[ɔ] については 1-1-6で、[ɪ] については 1-1-19 で学習しました。
*1-1-20で書いた『[ɪ] とは別物!つづり字「e」と「ee」の発音 [ i: ] について』も、合わせてご確認していただけると理解が深まると思います。
そして、いつもの本『[新装版]脱・日本語なまり―英語(+α)実践音声学』より抜粋しますが、他の二重母音と同じく、
前半部が比較的長く、その後、徐々に開口度が狭まり、なめらかに[ɪ] に接近しますが、必ずしも最終的に[ɪ] に到達するとは限りません
・「oy」の単語例
boy、joy、oyster、toy など
・「oi」の単語例
choice、join、noise、oil、point、voice など
まとめ
エレノアに助けを求められたチディ。
せっかくへ天国に来たというのに、胃が痛くなってばかりで、ちょっとかわいそう。
そんなシーンで、「グッドプレイス」第1シーズンの第1話は終わります。
というわけで、海外ドラマで英語学習をしてみようというこの企画?、やっと1話分が終了です!
長くなりましたが、たった1話でもちゃんと学習してみると、実りは多かったです。
ドラマの中で話されている英語を、まずちゃんと理解して、繰り返し聞いてみる。
それって、生の英語を聞いて、そのままパッと理解することにつながり、英語力がアップすると信じています。
アウトプットの方も練習していけるように、発音も学習しながら、「海外ドラマで英語学習」をコツコツ続けていきたいと思います。
第2話はこちらです。